HPの激安サーバー、ProLiant ML115を買ってみました。Athlon64 3500+にPCI-Express X16を備えたnVidia MCP55S Pro搭載マザーボード、512MBメモリにHDD80GBのスタンダード構成で、なんとお値段15,750円!!!どう考えても中古でパーツを揃える方が高いってモンです。ML115の詳しい説明はHPの公式サイト(http://www.compaq.co.jp/products/servers/proliant/ml115/qu.html)あるいは他のサイトをご覧いただくとして、このサイトではパーツの増設と静音化について書いてみようかと思います。
激安のML115ですが、電源を入れてみてびっくりしたのはその騒音。もっとも、信頼性重視のサーバーですから、個人ユースのPCに比べて爆音なのは致し方ないところですが…それにしてもうるさい。深夜に使いたくない感じの音だったので、余っていたパーツを使って静音化&高性能化を図ってみました。
使用したパーツは以下の通りです。
CPUクーラー: CoolerMaster Hyper48
昔メインPCで使っていた、Socket478、939、LGA775対応のCPUクーラー。SocketAM2に対応していなかったため長年放置されていましたが、ML115用に発掘しました。相当銅の部分が汚くなってますが性能には問題なし。
チップクーラー: CoolerMaster PAC-P01-UK
CoolerMasterのチップクーラー。同じような機構で固定するものであれば、なんでもOKかと思います。標準のクーラーがあまりにも頼りないため交換決定。これも昔ASUSのA8N-SLI Deluxeで使ってたお古です。
ビデオカード: ATi RADEON X600SE PCI-E 128MB
新品バルクで3,000円を切る価格で売られていた処分品。64bit品ですが、無いよりマシってことで。
サウンドカード: SoundBlaster 5.1
ML115はサーバー機のため、サウンド機能がありません。USB音源でもよかったのですが、相性があるようなので動作実績のあるSoundBlaster5.1をチョイス。価格も2,000円弱ですしね。
IEEE1394: 確か玄人志向かどっかのもの。
コネクタを見る限り3.3V対応品です。ML115のPCIは3.3Vカードオンリー(5Vカードが使えない)ので注意が必要です。
HDD:Seagate ST3200822AS SerialATA 200GB
元から付いてきた80GBはOS用に使って、こちらはデータ用ドライブとして利用。もともとメインPCで使っていたHDDですが、メインPCには5台ものHDDが入っている(もったいなくてついつい繋いでしまう…)ので、1台を引っこ抜いて移植。
ファンコントローラー:JETART DT4100
拡張スロットに装着するタイプの2chファンコントローラー。ML115の5インチベイは、あらかじめネジを付けてフロントから押し込むタイプの構造になっているため、5インチベイ用のファンコントローラーは装着できるものがかなり限られてしまいます。そのため、こういう固定方法のファンコントローラーの方が便利だったりします。
上の写真は届いたばかりのML115の内部の様子。かなりスカスカです。マザーの中央に位置するCPUと、電源に近い場所にレイアウトされたDDR2メモリスロットなどの特徴がわかります。CPUソケットがど真ん中にあるので、PCI-Express X16と干渉しそうなんですよね。
さて、早速分解作業に入ります。
分解して取り出したマザーボード。CPUファンの取り外しは、いきなりネジをとるのではなく、すべてのネジを少しずつ順序にゆるめていった方が無難です。1本ずつ抜き去ってしまうと、最後の1本が残っている状態でクーラーがいきなりベリッとバネの力でCPUから浮き上がってしまいます。少しずつ緩めて次のネジへ…を繰り返すことで、そろりそろりと取ることが可能です。
ネジはすべてトルクスのT15ですが、太めのマイナスドライバーでも回せるようにねじ山が切ってありますから、マイナスドライバーでも代用可能です。
1,CPUクーラーの交換
うるさいと不評なCPUクーラーを交換します。CPUクーラーはアルミフィン+ヒートパイプという構造になっており、結構しっかりしているな、という印象。取り外したCPUクーラーと、これから取り付けるHyper48とを並べてみたのが下の写真。大きさはそれほど違いないように見えますが、Hyper48の方が一回り弱大きいです。
ML115のマザーボードは、SocketAM2なのにCPUクーラーはLGA775という構造になっています。このため、LGA775用のCPUクーラーなら割と楽に装着できそうですが、いくつか注意事項があります。
・PCI-Express X16スロットとCPUソケットが接近しているため、大型のCPUクーラーを装着するとビデオカードと干渉するおそれがある
・標準のCPUクーラーはケースにネジで留められているため、CPUクーラー交換の際にはマザーボードの下にある、ネジを受ける金具を取り外す必要がある(簡単に取れます)
・バックプレートを用いるCPUクーラーの場合、CPUソケット裏面にあるコンデンサと干渉する可能性がある
Hyper48はバックプレートを用いて装着するタイプですが、元々付いてきたバックプレートはメインマシンのBigTyphoonを付ける際に使ってしまったため、マザーボード裏側からm4のネジを出して、ナットで固定しています。ネジの力加減を間違えるとマザーボードを破損しますし、CPU交換の際にはマザーボードを取り外さなくてはいけないのでおすすめできませんが、一応装着可能です。
2,チップクーラーの交換
チップクーラーもこれまた背の高さが1cmくらいしかない、頼りないものだったので交換することに。PCIスロットのカードと干渉しないようにこの高さに抑えられているのだと思いますが、そこまで大きなPCIカードを装着する予定も特に無いですし。
プッシュピンで留められているため、裏に飛び出た部分をラジオペンチでつまんでやれば簡単に取り外し可能です。取り外した後はPAC-P01-UKにサーマルグリスを塗って装着するだけ。
プッシュピンタイプのものであれば何でも付くかと思いますが、あまり大きなものはビデオカードと干渉する可能性があります。
交換したあとはこんな感じに。
CPUクーラーとチップクーラーを交換したML115のマザーボード。こうやって見ると、マザーボードがMicroATXサイズということもありますが、Hyper48ってかなり大きく見えますね…。
懸念されていたCPUクーラーとビデオカードの隙間ですが、標準のCPUクーラーよりも若干間が開いたような気がします。1cmほどは離れていますので、ヒートシンク固定用のバックプレートが付いたビデオカードでも余裕で装着できそうです。
次回はケースファンの交換です。